【あらすじ】
将軍の腹違いの弟という立場に甘んじ、悪行の限りを尽くす明石藩主・松平斉韶。国の行く末を案じた老中は、斉韶が要職に就く前にひそかに闇に葬るよう、御目付役・島田新左衛門に密命を下す。斉韶に四肢を切り落とされ舌を抜かれた被害者を目の当たりにした新左衛門は、命がけで大義を果たすことを決意、その場で御目付役の職をとかれる。
参勤交代で江戸から明石へ帰国する途上で斉韶の命を狙うことにしたのだが、新左衛門のもとに集まったのはわずか十数名。
斉韶のもとには新左衛門のかつての同門・鬼頭半兵衛が指揮をとり300人超の武士が布陣をしく。
わずかな手勢で敵を迎え撃つため大掛かりな罠をしかけ明石藩一行を待ち受けるが・・・
斉韶の所業を見ながら
「人とはここまで残酷になれるのか?」と背筋が凍った。
権力を持ち意のままに生きる斉韶は物質的にとても恵まれているように思えるが
身の回りの人々が誰も彼を諌めきれなかったという事実が
腹違いとはいえ将軍家にゆかりのある人物の権力の大きさ
同時に斉韶の残忍さを物語る。
偉大な権力も莫大な財力もないが
己の信念のもと志同じくする同志達と
大義を成し遂げた新左衛門の人生は満足いくものだったに違いない。
【お嬢の結論】
人生とは長さでなく質で決まる。
どんな信念を持ちいかに生きるか?
人からの賞賛を期待するのではなく
自分に誇れる人生が一番だ。